2008 |
10,26 |
楊志の「俺は犬になりたくない」発言に関してもうちょっと突っ込みたかったんですが、「悲華」が今手元にないので本文の細かな記述に関する部分はまたあとで書き足す予定です。
次回は「武松の瘧」です。
今日は寮の友達と晩御飯+お菓子作りをしました。私は基本的におかずしか作れない&作らないのでお菓子作りは友達と一緒の時でもないとやらんのです。
作ったのはピザ、チョコのシフォンケーキ、芋羊羹、南瓜クッキー。
ピザとケーキを食べたらお腹一杯になってしまったので羊羹はまだ手を付けていませんが、南瓜クッキーはなかなか美味しく出来ました。南瓜をたっぷり使ってあるので南瓜の味がよく出ていて、カントリーマアムみたいなちょっとフカフカしたクッキーです。写メるの忘れてたので今日はお見せできませんが、南瓜の黄色と練り込んだドライフルーツの苺の赤との対比が可愛らしいクッキーに仕上がりました。
因みにお菓子作りは先週も行われ、その時はプレーンのシフォンケーキ、トリュフ風スイートポテトボール、白玉団子の黒砂糖みたらしがけの3品を作りました。今回作ったチョコのシフォンケーキはこのときのものの応用編です。
トリュフ風スイートポテトボールはサツマイモに砂糖、牛乳、ココアを加えて丸めたものにココアをまぶしただけ。見た目はトリュフそのものなんですが食べると不思議な味わいです。簡単で美味しいです。
黒砂糖のみたらしは……うん、何か凄いことになった。
精製してない黒砂糖の塊をいただいたので、それを使って作ったんですが、黒砂糖の香りとともにえぐみまでばっちり出てしまっていてカオスな味わいになりました。(笑
2008 |
10,25 |
鴉胆子、中国で採れることが判明。
福建、広西、雲南、広東などに分布。産地、村端、路ばた等の低木林の日当たりの良い場所に生えているそうです。因みに学名はBrucea javanica。
マラリアに対する効果は三日熱≫四日熱>熱帯熱となり、マラリア原虫の殺滅に有効。
服用方法は鴉胆子の成熟果実を種を潰さないように桂円肉、カプセル、または小麦粉の皮で包む。これを毎日10~12粒、8時間に1回、7日間服用。
副作用は嘔吐と下痢。下痢はともかく嘔吐はせっかくの有効成分がおじゃんになるのでどうにかしないといけない。相互作用があるかどうか分かんないけど制吐薬とかと併用すれば大丈夫かな。
兎も角も中国で手に入ることが判明した以上、治療薬の候補に復活。
黄花蒿、検索してもなかなか出ないと思ったら青蒿の名の方が一般的なことが判明。
鴉胆子と違い、原虫の発育抑制と発熱を抑える。効果はクロロキンよりも高く、キニーネと比肩し得る。
効果が高く即効性、というところは前回と変わらないが、単剤投与だとやっぱり再燃率に問題があるようだ。
錠剤を熱帯熱マラリア患者に投与したら1か月以内に100%再燃したというデータがあるようです。まぁさすがに武松が拾ってきたのは熱帯熱じゃないと思うけど、それにしても再燃率高いよ。
一応単剤投与でも油剤、油懸濁剤なら再燃率を8.7~18.2%まで下げることができるが、投与方法が問題で筋肉注射だった。駄目だこりゃ。尚、このデータは熱帯熱だけでなく三日熱にも言える。
再燃率100%は熱帯熱マラリアということもあり治療薬候補としては健在だけど、単剤投与だと心もとないので、鴉胆子の方が有利かも知んない。
参考文献
「図説 漢方医薬大辞典<中国薬学大典>」陳存仁 著/講談社
「原色 中国本草図鑑」人民衛生出版社/株式会社雄渾社
科学英語のプレゼンのテーマは結局結核にしました。
時間がない上に張順ネタは流石によく良く分らん。一応潜水医学という分野はあるようだけど、ダイビングの知識が無いのでいまいちピンとこないです。ダイバー用のサイト行ってもスノーけリングの話ばっかりで素潜り(スキンダイビングというらしい)の話が少ないのです。調べ方が悪いのかな?
結核といっても、ただ単に病理とか薬の作用機序とかだと芸がないしやっててつまらないので診断学方面から攻めてみました。薬学部じゃ病気のメカニズムは学んでも、医学部と違って実際にどうなのかとかいう解剖学的なことは殆どやらないので。
付け焼刃&殆ど手探りながら、聴診の判断基準とかX線の読み方とか勉強するのは結構面白かったです。
2008 |
10,23 |
«携帯版も更新»
その[なんちゃって医学検証]なんですが、現在
についての情報集め&記事を並行して書いています。①「悲華」楊志の破傷風
②武松の瘧(マラリア)
③武大の死因(急性砒素中毒)
①②関してはまぁいいんですが、問題は③の急性砒素中毒。
法医学関係のサイトや論文を中心に見てるんですが、遺骨の変色についての記述が見つからない。急性中毒の症状も何か違うし、そもそもこれ本当に砒素かなぁ?
となると毒物の断定からまたやり直しということに……あああ。orz
そういえばマラリアの時もこんなパターンだったような……。
PDFファイルの論文何本も読むのは結構疲れるんだぞ!ウワァンヽ(`Д´)ノ
でもとりあえず大学の宿題が入ったから調査は一時中断。
科学英語の授業で、呼吸器系をテーマについて調査・プレゼンをしようということなのですが、はてさて何を調べよう。
私父からの遺伝で結核リスクが高いみたいなので結核にしとこうかしら。
それとも水滸伝ネタで呼吸器系の話って何かあったかしら。張順の潜水時間の秘密に迫る、とかか?
因みに前回のテーマは脳・中枢神経系。
私も含め殆どの人がアルツハイマー病やらてんかんやら、疾患のやその治療薬の機序について発表した中、一人、記憶について調べてきた人がいたんです。
ドラマ等で、何か衝撃を受けて記憶を失い、再び衝撃を受けて記憶がよみがえるという現象があるが、一体どこまで本当なのか?
面白いテーマですよね。実際面白かったです。聞いてて面白い、聞きたくなるプレゼンというのはこういうものかと思いました。
発表は英語でやるので、難しい言葉が多くてあまり多くは理解できなかったのですが、どうやら「再び衝撃を受けて記憶がよみがえる」というのは嘘だ、という結論だったと思います。ちょっと自信がないので、そして何より個人的に興味があるのでこの件も後で調べてみようと思ってます。
……うう、最近「後で調べる」ばっかり言ってる気がするなぁ。ちゃんと実行できるのか自分。orz
◆WEB拍手お返事
>ドク・ホリディ様
初めまして。御来訪&感想ありがとうございます。
[なんちゃって医学検証]見て下さったのですか!一味違うと言って頂けるとやって良かったなと思います。
先ほど貴サイトにもお邪魔させて頂いたのですが、YahooIDをもっていないのでコメントできませんでした。orz
私も切り絵は好きなので(と言っても見る方専門ですが)、全作品楽しく拝見させて頂きました。新作を楽しみにしています。
2008 |
10,21 |
それと序文として「はじめに~水滸伝をカガクする」を追加。
ちょっとは親しみやすい内容になればと。
2008 |
10,19 |
なんちゃって医学検証のネタ探しのため、マラリアについて調べてたら良いネタはいりました。
ほら、武松って登場時瘧=マラリアにかかってたじゃないですか。にも関わらずあんな冗談みたいな治り方してるじゃないですか。ありえない話です。あんなんで治ってたら現代でもなおマラリアが世界を悩ます感染症であり続けるはずがない。
たまたま登場シーンが自然治癒か治療の最終段階だったとしか思えません。
でも[futurematic]のみろ様の考察(うぇいしゃんま?)でもありましたが、「中国でマラリアってどこで拾ってくるの?」「治ってるけど特効薬あるの?」という疑問がありました。
というわけで、「そもそもマラリアなんかじゃなくて別の病気なんじゃない?」と思ってマラリアと誤診しそうな病気を調べてたんですね。
でもそれっぽい病気がなかなか見つからない上に、日本でもマラリアらしき病気は昔からあったようだということも分かり、「どこで拾ってきたかは知らんがやっぱマラリアかも」という気がしてきました。今とは違う感染経路があったかもしれないしね。
そこで路線変更。治療薬を探してみました。
一応、マラリアの薬といったら普通キナの木から採れるキニーネという物質なんですが、これって原産地アンデスだし、後に開発されたクロロキンは第二次大戦頃の産物だし……というわけでこれは使えない。
で、昔からマラリアあるなら漢方にも何らかの薬があるだろうと思って調べてみたら、ありました。
鴉胆子(ヤダンジ)と、黄花蒿(おうかこう)。
鴉胆子はニガキモドキというニガキ科の植物を原料とする生薬で、主成分のQuassinoids(カシノイド)という物質が抗マラリア活性を持つようです。ところがQuassinoidsは分離や抽出が難しい物質で、2002年に阪大の薬学研究科が初めて効率的な合成に成功した模様。
Quassinoidsは日本でも取れる甘茶にも含まれているらしい。
◇大阪大学薬用資源化遺跡学分野HP
黄花蒿はクソニンジンというキク科の植物を原料とする生薬で、これから抽出されるArtesunate(アーテスネート)という物質(およびその誘導体)がマラリアの特効薬であるらしい。Artesunateは青蒿素(チンハオス)とも言う。どうやら抗がん作用もあるらしい。
中国の桂林製薬がArinate(アリネート)という名でマラリア治療薬として開発し、これと他の抗マラリア薬との併用療法を推奨しているらしい。国境なき医師団も導入を歓迎している模様。
◇MSF、マラリア治療の新薬の導入を歓迎(国境なき医師団日本)
◇マラリア特効薬のアーテスネート(artesunate)世界保健機構がヨモギ・パワーを全面的に推奨(ノギボタニカル健康機構)
さて、有効成分を含む漢方生薬が見つかったところで、次なる問題は原産地。
ニガキモドキは検索したらインド・マレーなどの熱帯という情報が出たんですが、キク科ニガヨモギ(ヨーロッパ~シベリア原産)と情報が交錯気味なのでとりあえず放っておくことにします。どっちにしろそんなもんどっから手に入れて来いと。orz
一方のクソニンジンは日本にも中国にも……というか世界中ほぼ何処にでもある。(日本のは中国から薬草として渡ってきたあと野生化した)ともかくありふれた草のようなのでより入手しやすそうなのはこっちだろう。
さて治療。
抗マラリア薬研究の進歩(PDF)という東邦大学の論文によると、タイで血液の5%が感染した多剤耐性重賞熱熱帯熱マラリア患者にArtesunateを単剤投与(静脈注射)したら6週間後の再燃率は26%だったらしい。……噛み砕くと、4人に3人はArtesunateでふた月で治ると。再燃が起こるかどうかは体内のマラリア原虫の量によるらしい。
即効性なのはいいけど水滸伝の時代に注射とかないだろー、と思ったら錠剤と坐剤もあった。他剤併用の例しか記述にはなかったけど経口投与の方が効果的。坐薬の適用はどうやら小児みたい。
結論。
薛っちゃん、武松のために糞人参採っておいで。
合成方法は後で調べる。今回はちょっと疲れた。
水滸伝との出会いの書は陳瞬臣・手塚修監修の漫画『中国の歴史』。初恋の人は林冲ですが何か。
山田章博と田中芳樹とKOKIAが大好きです。
『幻想水滸伝』も大好きだけど水滸ネタが尽きてきたならいい加減名前だけ使うのやめて欲しいぞ。(´・ω・`)