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曇った鏡

黒曜苑 更新履歴兼日記
2024
04,26

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2009
11,12
本日、卒業研究の研究室配属の発表がありました。
今年は募集定員のうち7割が成績順、残り3割がくじという分配係数が設定されているので、成績がいまいちな(弁解しておくが悪いのはトータルの成績。段々上がってきて今はそこそこ良い方ですから!)私はどうなることかヒヤヒヤしてたんですが――

めでたく希望通りのところに配属されました。
やったね!


ところで最近こんな本を読んでます。

宦官―中国四千年を操った異形の集団
顧蓉・葛金芳 著/尾鷲卓彦 翻訳(徳間書店)

古本屋で見つけまして、文章も読みやすそうだったので購入してみたんです。
水滸伝にも宦官出てくるし。童貫とか楊戩とか。

宦官というと宮中のモンスターというイメージがありますが……っていうか、私はそう言うイメージを持っておりますが、彼らがモンスター化するにもそれなりの理由があるんだなぁって事が良く分かる本です。
ただでさえモノを切られて劣等感に苛まれているのに毎日のように嘲笑・罵倒を受けながら酷使され、挙句病気や加齢で役に立たなくなれば野垂れ死ぬか無い。なかなかに悲惨な一生です。
そんな訳で自殺率も高かったらしいが、自殺したらしたで一族皆殺しとかもあったみたい。
そんな悲惨な境遇が彼らの集団主義を育て、それが権力を握った彼らの恐ろしさに繋がるみたいです。

有名な皇帝にまつわる話もありましたよ。則天武后とか。ラストエンペラーこと愛新覚羅溥儀とか。
溥儀に追い出された宦官が、彼が紫禁城を追い出された時「ざまあw」とか言ってたなーんてエピソードも書いてありました。

あと薬学生的に非常に気になった点。

ナニって切っても再生すんのかよ。

しかも薬物治療で。びっくりだよ。
この本に曰く、薬治ナシでも小児のうちに切ったのであれば生えてくるらしい。だから定期健診ならぬ定期手術が義務付けられてたんだって。



◆WEB拍手お返事

>11月12日1:06(石臼に~)の方

ぎゃあああああ、仰る通りです。石臼は鄭天寿です。劉唐は門扉に潰されて死んだんでしたね。
どうも「残念な死に方」繋がりで混ざってしまったみたいです。

因みに蛇に咬まれてお亡くなりになった丁得孫も「残念な死に方」仲間w
水滸伝読み始めくらいの頃は馬に踏みつぶされた鄒潤鄒淵なんかも残念な死に方だと思ってましたが、戦場じゃよくあることですよね。歩兵だし。
あと溺れて死んだ人たちが多数いる件について。水塞に住んでんだから泳ぎくらいやっとこうぜと思わずにいられない。

話が逸れました。

美形の死に方が酷い件についてはコラムや評論本でも時折取り上げられてますけど、本当にあれは何なんでしょうね。美人で無事に生を全うできた人って燕青と瓊英くらいなんじゃないでしょうか。
尤も瓊英は108星じゃないどころか施耐庵作の人物じゃない可能性がありますが……。

≪月の蛇≫

今月号は扉がカラーです。
そしてコミックスも発売中。私はまだ買ってないけど。

場面は水上。船の上に男が二人。
一人の男が唄を歌っている。

「だ~い好きなのは~♪ 火ィ付けと人殺し~♪っとくらぁ」

……残念なことに『とっとこハム太郎』のテーマソングで再生されてしまった。orz

歌ってる彼の正体は張順。てっきり阮家の誰かさんかとおもったぜ。
となると当然もう一人は張横である。
二人とも原作のイメージを崩さないデザインです。カラーページの張順は”張順”のくせに割に色黒だったけど。

張順「しっかし信じられねえなあ、穆弘の兄貴ががやられるなんてよ」
張横「事は水塞中に知れ渡っている。江州男の名折れだぜ」
張順「李の兄貴はどうお考えで?」

李の兄貴こと李俊は意外に若い。でもってイケメン。
何ていうのか分かんないけど映画のキョンシーがしてるような帽子を被ってます。

李俊「穆弘の武は江南随一のもんでした。そいつを倒したとあっちゃ、その男は油断できねえでしょう。だが、あっしは穆弘と義兄弟。あっしは水塞の命令よりもまず義兄弟の仁義に殉じてぇ」

「あっし」とか「仁義に殉じてぇ」とか。この漫画はこういうちょっとした台詞回しが格好良くて好きです。
雰囲気が良いのよね。

場面変わって翠華さんサイド。
どっかに出かけてて戻ったらしい青慈。宿に戻ると翠華が部屋中に荷物を散らかしていた。
路銀を入れた袋がなくなっているので探していたらしい。

翠華「部屋を空けていた時にやられたらしい」
青慈「そう言ってもこの宿には自分たち以外泊っていないのに……。時に趙さんは?」
翠華「飛虎ならまたフラフラとどこかに……まさか!?」

翠華さんのお察しの通り、飛虎はあなたの路銀を持って賭博に行きましたw
因みに賭博の種類は闘鶏。頭が赤いのと白いのといて、どっちが勝つか賭けるというルール。

賭けに負けてしまった飛虎、今度こそ!と赤にかけようとする。
とそこに一人の女が割りこみ「白」という。
彼女の言うがまま賭けた飛虎は価値が続いたらしく、儲けた金で女に酒をおごっている。

女「良いのかい?私までごちそうになっちゃって」
飛虎「アンタに乗ったおかげで勝てたんだ。このくらい当然だ。それよりあの後もずっとあててたが、何かコツがあるのかい?」
女「コツなんかないよ。女は皆と良いものを見分ける勘があるのさ。私はそれが少し強いだけ。分かるよ、アンタも強いんだろ?」

そのまま二人で呑みまくったらしく、べろべろになった女を家まで運んでやる飛虎。

女「何してんの?あがっておいでよ」
飛虎「不用心じゃないか?」
女「おや、待ってる人でもいるのかい?」
飛虎「んなもんいねえよ」

女、飛虎の答えを聞くと衣を脱いで飛虎に馬乗りになる。

女「勘違いしないどくれよ。私だって誰でもいい訳じゃないんだから」
飛虎「名前は」
女「香雲
飛虎「男を惑わす雲か。ぴったりだな」

そのまま寝台に横になり、事に及ぼうとする二人。
が、その時。
香雲に覆いかぶさる飛虎の背後から刀を持った男が襲いかかる。
飛虎は咄嗟に体を捻り肩で受けた。
振り向くと李俊と童威童猛の3人が揃っている。因みに飛虎を襲ったのは童威の方。

童威と童猛は筋肉モリモリな青年兄弟。何でか両頬に四象、両肩に八卦の刺青が彫ってあります。
調べてみたところ童威が少陰・少陽・兌・艮、童猛が太陰・太陽・乾・坤の様です。何か意味はあるのかしら。

李俊「殺気を感じ取り、咄嗟に肩で受けたか。まるで獣のようだ。あっしは李俊。梁山泊の水軍を任されている者だ。正面から行っても手強かろうと、つまらない策をろうさせてもらった」
飛虎「策?」

寝台の方を見やると、香雲が起き上がって李俊の方に歩いていった。そして腕を回して言う。

香雲「ごめんね、私強い人が好きなの。私みたいな女に引っ掛かるなんて、あんたも見る目がないねえ」
飛虎「そのようだな」

童猛が飛虎の蛇矛を奪って李俊に恭しく渡す。
李俊、手に持って確かめる。

李俊「重いな。あっしには振れそうもない。さて、必殺の蛇矛は無く、肩も怪我を負っている。穆弘の仇、取らせて頂く」

そんな訳で飛虎VS.童兄弟。(李俊は後ろで見物w)
怪我を負いながらも飛虎は大立ち回りを繰り広げるが、童兄弟は打たれ強さが取り柄らしくなかなかダメージを与えられない。そこで飛虎は窓から二人を突き飛ばし、川の中にドボン。

李俊「倒せなければ追い出してしまおうと言う訳ですか」
飛虎「これでお前の策とやらはもうお仕舞いだ」
李俊「残念ながらあっしの策はまだ続いてますよ」

場面変わって翠華&青慈。
飛虎のことでいらいらしている翠華を青慈が宥めている。そんな二人は知る由もないところで事は進んでいた。

張順「どんな面だろうな、穆弘を刺した女ってのは!」

二人の宿には張兄弟が迫っていた。

待て次回。



江州メンバーは良いなあ。うん。
李俊が頭脳派というのはちょっと意外ですが、今まで肉弾戦ばかりだったのでそろそろこういうキャラも出てきて良い頃でしょうね。
それにしても薛永の大道芸と言い、今回の闘鶏といい、この漫画は背景以外のところでも日常描写をしっかりしてくれるのが好感持てます。
相変わらず戦闘シーンはまだちょっとまだるっこしい感じがするけど、世界観を堪能できる作品ってのは良いなあと思う。

ところで穆弘といえば、弟の穆春はどした?
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女性
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1985/08/16
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大学院生
趣味:
絵描き、漫画・ゲーム
自己紹介:
今春から大学院生&ペーパー薬剤師。
水滸伝との出会いの書は陳瞬臣・手塚修監修の漫画『中国の歴史』。初恋の人は林冲ですが何か。
山田章博と田中芳樹とKOKIAが大好きです。
『幻想水滸伝』も大好きだけど水滸ネタが尽きてきたならいい加減名前だけ使うのやめて欲しいぞ。(´・ω・`)
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